【箱根駅伝予選会2021】試合反省と雑感
ようやく文章を書けるくらいには回復したので、反省と思ったことを書きます。
結果
67'47"(15'51"-55"-53"-16'31"-3'37") PB
チーム内3位、個人384位
元の自己ベストが69'15"なので、1分28秒の更新。
学部1年のとき以来、71分台(たまに72分台)しか出せていなかったので、やっとハーフの沼から抜け出せた気分。
今回は全体として異常に記録が出ているけれど、昨シーズンまでの状態だったら68分台が関の山だったと思うので、走力は伸びていると考えています。
そもそも3'10"の集団なんて怖くてついていけなかったはず。
レースプラン
目標は68'30"。
昨シーズンに出したベストは5000が14'55"、10000が31'13"なので、Jack Daniels理論でいけば68'17"~45"くらいの走力はあると考えての目標設定。
今シーズン距離走を一度しかやっていないので、これ以上攻めるのはちょっと…という感じ。
学部1年次にハーフのベストを出したときは16'08"-20"-33"-40"とかだった。
(立川だったので後半は公園でペースダウンした)
今回は16'00"-10"-15"-30"-3'35"くらいで走る想定。この通りだと68'20"。
同じ集団で走る予定の後輩と、「入りの5km16分フラットでいこう」とだけ話していた。
今年は出場校も多く、同じくらいの集団はできると思っていた。
(実際はできなかったので、3'10"で押し続けることになった。結果オーライだと思うけど)
レース展開
スタート直後、例年よりもすんなり内側へ入れた。
徐々に集団ができて、「速いな」と感じつつも1km通過3'11"、3km9'35"。このままついていくことを決意。
5km通過15'51"で腹をくくる。そこからは何も考えず集団についていくだけ。
ついていくだけとは言っても全然余裕はなかった。
後ろに集団がないので、振り落とされたら単独で一気にペースダウンしてしまうのは必至。なんとしても最後までここで粘りたいと思っていた。
同じ集団に院や学部の後輩が何人かいたのは、精神的な支えになった。
スタート直後から続く腹痛と、体幹のきつさにひたすら耐える。右広背筋が痛かった。
6周目(13km過ぎくらい)で突然脚がきつくなり、そこから15kmまでついていくも、その直後に集団がペースアップした(ように感じた)ところでついていけず。
あとは冷たい風を浴びながら単独走。ジョグくらいまで落ちているんじゃないかとも思ったけれど3'20"にとどめられていた。実質15kmで試合終了していた。
ラスト一周で59分ちょっと。67分台は堅いと感じ、「とにかく事故らず67分台にまとめればいい」とだけ考える。20kmで攣りかけたので、スパートせずゴールまで安全運転。
タイムが伸びた要因分析(全体編)
今回は全体的に記録が上がっていて、その理由は
- 駐屯地周回コース
- 絶好の気象条件(12度、小雨)
- ナイキ厚底シューズの普及
- 学生長距離界のレベルが上がっている
の4点で説明できる。
今回、最も大きい要因はコース。
公認になったというニュースを聞いたときには、みんな
「わーい公認だー」
くらいの反応だったのに、走り終わってみると
「え、これ、公認でいいんですか!?」
という感じ。
東京マラソンみたいに「記録を出させるコース」が世の中には存在するので、まあ、アリかなあ…。
ただ、そのような素晴らしいコースでも、「気象条件」「ナイキ厚底」という二つの条件がなければ決して高速コースたりえなかった。
何故なら、
日陰がないので晴れたら暑いし、
普通の道路より硬いので脚へのダメージが大きい
からである。
そして忘れてはならないのは、学生長距離界のレベルも間違いなく上がっているということだ。
新たに強化校となる大学も増えている。
マラソンの日本記録更新など現役選手の活躍に触発されて、陸上を志す人も増えているのだと思う。
現に、厚底が非公認となるトラック競技でも、例年以上に記録が出ている。
(厚底で練習するようになって怪我しにくくなったから、という人もいるのかもしれないけれど…)
タイムが伸びた要因分析(個人編)
もともとのベストは、学部1年の3月に立川ハーフで出したものだ。
今回速くなった要因と、当時との差分は以下の通りと考えている。
- トラックの走力向上によるもの:90秒
- 厚底の力:30秒
- コースの走りやすさと集団の恩恵:60秒
(時間はわりと適当)
トラックの走力向上によるもの:90秒
当時は15'24"が持ちタイムで、走っても15'15"くらいだったと思う。
(同じハーフで68'30"で走った先輩がその次の月にこれくらいで走っていた。よく一緒にポイ練させていただいた)
練習の3000が9'05"くらい。今は真夏でも8分台で走れる。
5000で20秒差なので、ハーフで90秒くらいはあるはず。
厚底の力:30秒
僕はそこまでヴェイパーフライの恩恵をそこまで受けられていないと思っている。
もちろん、クッションがあるので地面からの衝撃で脚が痛くならない点は素晴らしい。
しかし、スピードの出しやすさという点では、当時履いていたアディゼロ匠戦(初代)に分がある。クッションもそれなりにあって、ハーフでも普通に履けるシューズだった。
残念ながら二代目からは足型にまったく合わなくなってしまった。しかも、ブースト入ってるし…
昨年はアシックスのソーティジャパンセーハで走り、5kmで脚が終了したので、クッションがある方がいいことは間違いない。
しかし、左足の人差し指の爪が当たって途中から痛みが出てしまったので、ヴェイパーも僕の足型に合っていないという問題点がある。カーボンプレートでごり押ししているだけ。
(爪は結局、真っ黒になりそのまま還らぬ爪となった。南無…)
諸々考えて、シューズの力で稼いだ時間は30秒くらいと予想。
コースの走りやすさ・集団の恩恵:60秒
芝浦工大の3'10"のペースメイクが完璧だったおかげで、15kmまでは15分台で押すことができた。
これが10kmだと話が変わっていた。後半かなりペースダウンしてしまっていたと思う。
公園のアップダウンはそこまで苦手な方ではないけれど、フラットの方が走りやすいのは事実。
例年通りのコースだったら30秒以上遅くなっていたと思う。
これらの合計が180秒で、今回は88秒の更新。
逆に言えば、92秒分だけ、当時の方がハーフのための練習ができていた。
具体的には、距離走、日頃のジョグの距離。
今回は予選会で走れるかどうかすらわからなかったので距離走は9月になるまでやっていない。当時は完休なしで月500km走っていたので、脚もできていた。
とは言え、その練習方針を続けたことで2年間故障続きになったので、すんなりそのやり方に戻すのがいいとも限らない。
今後について
今回は、このような社会情勢のなかハーフを走らせてもらえて本当にありがたいと思う。
課題はいろいろあるけれど、冬期練に入るまではトラックに集中する。
11月の10000挑戦会で30'40"、12月の日体5000で14'40"を目指す。
夏から立甲トレーニングを行い、10月に入って腸腰筋ほぐしを始めたことで、ランニングエコノミーが上がり始めたのを実感している。
まだまだ発展途上だけれど、しばらくはこの方針で頑張りたい。
長期的にはハーフも記録を伸ばしたいので、冬季から距離走も再開する。
(というか、長距離パートは現状大学のトラックが夜しか使えず、朝型の自分には相当きついので、部活でロード練習が増えると参加しやすくなってありがたいです…!)
早く駒場で午前練できるようになるといいなあ。
雑感(心の声を箇条書き)
- 今回のコース、一度公認を取ったから今後も公認?これから社会情勢がどうなるかわからないけれど、来年も無観客ということは十分あり得る。そしたら、また高速コースの再来…?(あるいは、日陰なし灼熱コースの到来…?)
- 外側にある給水コーナー、遠すぎて取りに行く気になれなかった。涼しいということ以上に、「集団から離れたら試合終了」が自明だったもので…。
- 今回の周回コース、見ている方も8回見れるから楽しかったらしい。もちろん、現地に来れる人はかなり限られるけれど。
- 声援は禁止とのことだったけれど、「応援してくれる人が常に近くにいる」というだけで、直接声援をもらうのと同じくらい力になった。ありがとうございました。
- 荷物の移動がないのでサポートの人にも優しい。例年だと、IDを持っている人二人で選手全員分の荷物を駐屯地からみんなの原っぱまで制限時間内に運ばないといけない。学部2年のとき、雨を含んで重くなったウェアなどを運ぶのはほんとに辛かった。疲労骨折もしてたし。
- タイマーが二か所にあったのも素晴らしかった。手元で測っているとは言え、ラップとトータルをいちいち切り替えたくないからあった方がいい。
- スタートは密になるのが自明ということで、例年の「全大学一直線方式」から二段スタートへ変更。これも良かったので、無観客とか関係なく今後もこのやり方にしてほしい。若干後ろからのスタートになるけれど、スタート直後の一争いに巻き込まれず、例年より余裕を持ってインコースに入ることができた。某後輩はスタートで目の前にいた山梨学院大を「半分食います」と言っていて、3人食った。すごい。
- このような社会情勢で、学生へ最大限の配慮を持って標準の引き下げと予選会の開催を実現してくださった、学連をはじめとするすべての関係者に感謝(絶対見ていないと思いますが)。標準が例年通りだったら僕らは出場できていませんでした。ありがとうございました。