走る前に頭の中を空にしておきたい

陸上(長距離)・博士課程での研究について。

僕たちが今やるべきこと(後編)

前回の続き。

 

ここでする話は、人によっては「そんなの当たり前でしょ」と感じるものかもしれない。

膨大に有り余る時間、やれることはたくさんある。ダラダラとスマホをいじっているのはもったいない。今だからこそ、積極的に自己投資しよう。

 

自己投資① 読書

(20代の間は特に)重要とされる自己投資は読書であると言われる。

本屋へ行かずともAmazonでいくらでも本が買える。スマホやPCでも本が読める時代だ。今こそ本を読もう。

何を読めばいいかわからないという人は、Youtubeで本の要約動画を見て、全部読んでみたいと思ったものについて買ってみる、というやり方を勧める。紹介サイトのリンクを拾ったみたので参考にしてほしい。

lasdream03.com

 

自己投資② 技能習得

新しく技能を身につけるのも有意義だ。

後輩のブログで見たのは料理オンライン英会話で、どちらも後々の人生で役に立つ場面が出てくると思うので、優れた自己投資だと思う。

僕は最近、ブラインドタイピングを習得するための練習をしてきた。習得しようと思ったきっかけは論文執筆である。

今は大学へ入れないので実験をすることができない。幸い、(まだ論文化していない)修士時代の成果が複数あるので、これらを学術誌へ投稿するための論文にまとめている。

論文の分量は1本あたり3000語程度で(Nature関連誌などはもっと分量が多い)、全部で3本書くので、結構な量の英文を書かなければならない。

考えながら書くのですらすら書けるようなものでもないが、タイピングに時間がかかれば当然その分だけ生産性が低くなる。

1本書き終わった段階で、「いっそのことブラインドタイピングを身につけた方がよいのでは」と感じ、練習を始めた次第である。

始めて3日くらいでキーボードを見ることなく文章を書けるようになった。それからも練習を続けて、3週間弱で40~50wpmくらいでタイピングできるようになってきている。一日の平均練習時間は45分くらいである。

大事なのは毎日少しずつコツコツ取り組むことだと思う。指の動きを脳が学習するには睡眠が必要だ。指も筋肉なので、短期間で一気にやろうとすると良くない。

練習にはTyping Clubを活用している。無料でほとんどのセッションが公開されており、非常に優良な教育サービスだ。

www.typingclub.com

海外のサイトなので、キーボードが英語配列であり、日本語配列のものを使っている場合は記号の位置が異なるので注意が必要だ。ただ、英文を書く上で頻繁に用いられる記号は限られているので、記号の練習はそこまで必死にやる必要も感じていない。

日本語のタイピングを練習するうえでは「寿司打」などが有名だ。一通りTyping Clubが終わったら、こちらも始めようと思う。

typing.sakura.ne.jp

それから、論文執筆が終わってなお時間が残っている場合には、プログラミングも習得したいと考えている。

プログラミングは手に職をつける上で最強のスキルだと思う。日々、急速にテクノロジー化が進むなかで、世界の変化の速さに比較的後れを取っている日本では、プログラマーの絶対数が足りていないからだ。

最近では大企業のメーカーやIT系のベンチャー企業が、プログラミング経験や専攻に関係なく理系の(偏差値が高い)大学から優秀そうな学生を採用して社内で教育し、そのままプログラマーとして抱え込む、という動きがあるくらいだ。

新型コロナウイルスの影響が長期化すれば、あらゆる物事についてオンライン化が一気に進む可能性がある。テクノロジーについていけない企業はあっという間に振り落とされるかもしれない。

プログラミングについては素人なので、ここに書くことには不正確な情報も含まれると思う。それなりに知識や経験がある人に聞いてほしい。

何を目的にするかでどの言語を習得すればいいかは変わってくる。詳しいことは「プログラミング入門講座」(米田昌悟)を参考にしてほしい。初心者がまず教養として読むのに向いている本。

www.sbcr.jp

上記の本の中でも初心者向けの教育サイトの案内があるが、本に出てこないもので有名な学習サービスはProgateドットインストールなどがある。

prog-8.com

ドットインストール

https://dotinstall.com/

 

プログラミングを学ぶ際、重要なのは「わからないことをすぐに聞ける人が周りにいるか」ということであるらしい。エラーが出てその原因がわからない場合、いつまでも考えるより人に聞いた方が手っ取り早いそうだ。

それから、学ぶ上では何かしら目的がないと長続きしない気がするので、何か成果物をつくる(HP, ゲーム, アプリなど)といいのかもしれない。僕は実験や解析の効率化のためのプログラムを書けるようになるための勉強をするつもりだ。

蛇足だが、数学の能力よりも英語の能力の方が、プログラミングの能力と強い相関を持つそうだ。プログラミング「言語」というだけあって、習得プロセスは外国語のそれとある程度共通している。文系だからできない、ということはないはず。

 

自己投資③ 好きなことを思い切りやる

好きなことを突き詰めることも立派な自己投資だ。何かに夢中になって取り組む経験は多くの学びを与えてくれる。

上達のために創意工夫した経験は、仕事を効率よく切り盛りするうえで役に立つ。

エンターテインメントにどっぷり漬かることで、新たなサービスやコンテンツを生み出すためのアイデアが生まれる。

物事に熱中する力は、困難に思える問題に粘り強く対処するための原動力となる。

好きなことについて生き生きと語ることができる人は、周囲から魅力的で信頼のある人物に見える。

…とここまでは、特に引用も証拠もない私的見解である。

しかし、こうした「役に立つかどうか」という観点を差し引いても、やりたいことがない人生は退屈で、やりたいことがある人生は充実感がある。

このことは、これからの時代においてより一層重要になる。

ここからは、「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法」(北野唯我)210~212ページの内容から抜粋、改変した内容である。

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目覚ましいテクノロジーの発展によって、定型的業務(事務職など)はAIへ代替されていき、生活に必要なコストはどんどん減少していく。もしかしたら、贅沢しなければ働かなくても生きていける、という時代が来るかもしれない。

そうなると、人々の仕事への姿勢は次の三つに分かれる。

①好きな仕事をする

②仕事は最低限にして趣味に打ち込む

③(贅沢をしたい、他者に認められたいなどの理由で)嫌々今の仕事を続ける

今は大半の人が、③の働き方を選んでいるが、近い将来、これらの人々が①や②へ大移動する。

しかし、もともと「好きなこと」がない人が好きなことを見つけるのは至難の業だ。

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①や②のような考え方は、若い世代を中心に広がりつつある。

かつて日本には「人生の正解」があった。いい大学へ行く、一流企業へ就職する、20~30代で結婚して家庭を築く、ローンを組んでマイホームを建てる(あるいはマンションの一室を買う)、子どもをいい大学へ入れる、老後は年金で不自由なく過ごす、というようなものだ。

しかし、このような価値観も少しずつ変わり始めている。というよりも、価値観が多様化しており、上記のような(いわば高度経済成長期の名残とも言える)価値観は、あくまで「一つの価値観」に過ぎなくなったのだ。

そして、その価値観の多様化こそ、テクノロジーによって引き起こされたものである。

情報化は様々な価値観を生み、技術は多様なライフスタイルを可能にした。

日本の婚姻率の低下は若年層の経済的問題によるものとされることも多いが、「結婚はするのが当たり前」という価値観が若年層のなかで一般的ではなくなり始めていることも関連しているのではないか、と考えている。

 

話が脱線してしまったが、最後に前後編の内容を簡単にまとめると、今やるべきことは

正しく恐れ、適量の情報を取捨選択しながら自分の頭で考えて行動する

読書、技能習得、趣味への没頭などの自己投資

の二つ。もし役に立つ内容が少しでもあったら嬉しい。

 

追伸

部活がなくてモチベーションが上がらないという場合は無理をせず、しんどくならない範囲でジョグだけでも続けてみよう。ジョグさえしていれば体力はそこまで落ちません。